アメリカ合衆国 (U.S.A.)または単に合衆国(U.S.)は戦前の連邦共和国であり、21世紀中頃の世界的エネルギー危機に続く経済破綻を生き残った最後の国でした。
Enclaveは自分たちをアメリカ合衆国の正当な後継者であり、存続する政府であると主張していますが、いくつかの理由により、一般的に認知されていません。[1]
アメリカの州[]
2077年の大戦争の前、Fallout のアメリカ合衆国は、50の州と合衆国政府の間に中間的な政府を持っていました。それは連邦州と呼ばれるものでした。第二次世界大戦が1945年に終わった後、国は13の連邦州に分割されました。そして1969年 7月のVirgo II月着陸船ミッションに先駆け、アメリカの旗は新しい政治情勢を反映するため、13の連邦州を表す星の円と中央に代表として共和国を表す1つの星が描かれた旗へと国旗を変更しました。
国の新しい行政区画は国家の利益のため、緻密で幅広い法律の作成に有用でしたが、人々の共通懸念は違いました。殆ど影響のない、非常に限定的な種族問題を抱える州や、国家を支援する政治的文化を持つ州を支援していくより、アメリカの民主主義に対して齎(もたら)される共産主義の脅威という課題を解決する事を期待していました。しかし現実には、政府内で更なる争いを引き起こしてしまいました。連邦州は他の連邦州を犠牲とし、自らの為に消費していきました。 アメリカの13存在した連邦州は以下の通りです:
Commonwealth | Former states |
---|---|
コロンビア連邦州 | ワシントン, D.C., メリーランド州, バージニア州 |
イーストセントラル連邦州 | オハイオ州, ケンタッキー州, テネシー州 |
イースト連邦州 | ウェストバージニア州, デラウェア州, ペンシルベニア州, ニュージャージー州, ニューヨーク |
フォーステート連邦州 | ユタ州, コロラド州, アリゾナ州, ニューメキシコ州 |
ガルフ連邦州 | ルイジアナ州, ミシシッピ州, アラバマ州, フロリダ州 |
グレートミッドウェスト連邦州 | ウィスコンシン州, ミネソタ州, イリノイ州, インディアナ州, ミシガン州 |
ニューイングランド連邦州 | メイン州, ニューハンプシャー州, バーモント州, マサチューセッツ州, ロードアイランド州, コネチカット州 |
ノース連邦州 | モンタナ州, ワイオミング州, ノースダコタ州, サウスダコタ州 |
ノースウェスト連邦州 | ノースカリフォルニア州, ワシントン州, オレゴン州, アイダホ州, アラスカ州 |
プレーンズ連邦州 | ネブラスカ州, カンザス州, アイオワ州, ミズーリ州, オクラホマ州 |
サウスイースト連邦州 | ジョージア州, サウスカロライナ州, ノースカロライナ州 |
サウスウェスト連邦州 | サウスカリフォルニア州, ネバダ州, ハワイ州 |
テキサス連邦州 | テキサス州, アーカンソー州 |
カナダ[]
2076 年のCanada併合後、連邦州というシステムに変更があったかどうかは不明です。併合が完了する(2076年)まで、カナダはアメリカの軍事支配下にありました。人口(アメリカの約 10 分の 1 )が比較的小さいため、カナダは1つの大きな連邦州に等しいサイズでした。また国境の変更も可能であったため、アラスカのパイプラインなどに利用されました。
メキシコ[]
アメリカ軍はメキシコの企業利益と石油資源を目当てに2051にメキシコを侵略し、併合しました。しかし戦争の目標は達成出来ませんでした。
連邦政府[]
戦前の合衆国連邦政府は、21世紀での私達の世界のそれと、さほど異なるものではありませんでした。ゲーム内で描かれている合衆国政府は2つの軍事機関を持っており、軍事に重きを置いていました。陸軍省と国防総省(実際には両方同じ機関であった可能性がある)はそれぞれ様々な軍事研究プロジェクトを行い、前進していきました。HERMES や T-51b パワーアーマーなどがその成果でした。
ゲーム内で言及されている他の連邦政府機関は、エネルギー省、連邦捜査局(FBI)、Unamerican Activities Force (UAF) 、シークレットサービス、アルコール・タバコ・火器及びレーザー取締局 (BATFL) 米国宇宙管理局 (USSA)です。連邦政府の立法部門は上院議員と下院議員から構成されていました。彼らが個々の州を代表していたか、何らかの異なる形で連邦州を代表していたかは不明です。
軍事[]
大戦争の前において、アメリカ軍は合衆国全体で統一された軍隊でした。それは陸軍、海軍(加えて、補助的な海兵隊)、湾岸警備隊と空軍から成りました。合衆国大統領は軍の主要な機関である陸軍省(国防総省とも呼ばれる)の最高司令官として勤め、政策を行いました。
大戦争の後、アメリカ軍の後継機関としてエンクレイヴ軍が誕生しました。一方で軍の囚人を使った突然変異実験を不本意に行っていた科学者たちを保護するため、彼らの非論理的な命令に反発した元米軍兵士達によってBrotherhood of Steelが立ち上げられました。
エンクレイヴ[]
エンクレイヴのメンバー達は、核戦争についての思想を受け入れ、普通の人々が核戦争を乗り切ることなどできない事を知っていました。彼らは合衆国の『重要な人々』が生き残った限り、すぐに政府を再構築し、これを最後に共産主義を一掃できると信じていました。彼らの研究施設は2077年に起きた核の嵐を免れ、多くの巨大企業も同時にエンクレイヴの技術によって保護されました。
2073年、残り僅かとなった化石燃料資源を確保するため、世界中が競争し、その熱はピークに達していました。アメリカは太平洋の数千フィート下に埋められていた原油を発見し、世界で最後の原油を確保したこと、その供給占有権を主張することができました。アメリカはポセイドンエネルギー社と石油採掘装置を建造して石油の抽出をさせる契約を行いました。しかし間もなく油田は干上がりました。太平洋に建造された石油掘削装置はポセイドン社により廃棄されました。
2077年、全面核戦争の恐怖が差し迫っていた状況の中、合衆国大統領や多くのアメリカ人の役人が、合衆国周辺に存在する極秘の場所や、孤立した地域での厳しい状況を避けるため、ワシントンD.C.に存在するいくつかの場所に避難しました。その中には、カリフォルニア沖にあるポセイドン社の石油リグ(海上に建設された採掘用プラットフォーム)も含まれていました。そこでは全面核戦争の後の世界において、最終的に中国の手からアメリカ合衆国と大陸を取り戻すという目標のため、大統領の命令のもと、極秘基地が設置されました。2077年からこの石油リグで生き残ったアメリカ政府の人々は、公的に自分たちをエンクレイヴと呼び始めました。Fallout: New Vegasのアルケイド・ギャノンとの会話の中で、石油リグの崩壊後、NCRがナヴァロへ侵攻した事が語られている。これは西部の全てのエンクレイヴ軍が散るか、東部へ向かうことを余儀なくされる原因となりました。東部ではレイヴンロックとアダムズ空軍基地を拠点とし、活動を続けていました。ED-Eによってシカゴにも前哨基地があることが分かっています。レイヴンロックの基地は、後の2277年に破壊されました。
エンクレイヴの大部分の人々は、戦争後もアメリカ政府として活動を続けました。彼らは縮小した自分たちの活動を増進させる為、少しばかり組織を改変しました。大戦争の後、アメリカ政府が新たに設立した部門には原子力委員会や軍の化学科などがありました。
背景[]
アメリカの終わり[]
Falloutの世界のアメリカ合衆国は、1945年の第二次世界大戦以降、世界中の主要なエネルギー資源をコントロールし、他の国の人々の人生に影響を及ぼす程の力を持った世界で唯一の超大国になろうとしていました。21世紀に欧州連邦と中東の石油資源が豊富な国々との間で資源戦争が激化した際、この思想はより明確になり、辛辣さを極めた 国連は解散しました。その後ソビエト連邦はゆっくりと衰退していきました。そしてアメリカは、世界情勢において自国に匹敵する国が中華人民共和国以外に存在しないことを発見し、経済的にも軍事的にも自国が優っていると思っていました。しかしながら21世紀半ばのエネルギー危機において、アメリカは2053年の新ペストの大流行もあり、予想より大きな影響を受けました。2054年には、欧州連邦と中東での戦争中に起きた核攻撃の影響により、合衆国政府は世界的な全面核攻撃からアメリカ社会の一部を救うため、122戸の地下核シェルター、Vault を建築することを目的としたセーフハウスプロジェクトを新設しました。そして5年後の2059年には、アラスカの石油権益をいずれ来たる侵略者から保護するために、アンカレッジ前線を設置しました。
2060年に入り、油田が干上がり、最後の石油の地下貯蔵タンクが空になったとき、アメリカの経済はゆっくりと停止していきました。人々は自分達の車を走らせることが非常に困難になり、代わりのエネルギー研究案に対する政治的圧力は途方もなく増えていきました。しかしアメリカはそんな危機にも関わらず、超大国としての地位を維持するために軍を拡大し続け、戦場で石油を使わない戦車に変わる歩兵用のパワードスーツの開発を、政府の国防請負業者であるウェストテックに委託しました。このプロジェクトは結果として、アメリカ産業の救世主となりました。2066年の夏に、世界で初となる小型核融合電池の開発に成功したのです。これはパワードスーツの研究の一環として開発された粗末な物でしたが、小型核融合電池(マイクロフュージョンセル)は民間のニーズに合わせて開発され続けました。
アメリカは世界で確認されていた最後の未開発の油田を独占し、他の国と共有する気がありませんでした。それに加え、新たなエネルギー源の開発に成功した事実は、中国がアメリカに対して宣戦布告をする材料としては十分すぎるものでした。中国は石油パイプラインの存在するアラスカへ侵攻します。アラスカへの中国侵略は、10年に渡って続く米中戦争の開幕となりました。最初の中国の侵攻は上手くいきましたが、すぐに中国とアメリカの兵士達は消耗戦による泥沼状態へ行き詰っていました。そして兵士たちは、その戦いが双方にとって、意味のあるものを何一つ得られない戦いであることに気付きました。中国のクリムゾンドラグーン兵達は米軍の兵站と輸送パイプラインを破壊し、アメリカの戦線を破壊し尽くしましたが、強力な米軍のT-45dパワーアーマー部隊を撃退するには至りませんでした。
アメリカ北部に隣接するカナダは、中国の侵略を阻止しようとするアメリカの次第に激化する攻撃を、あまり望んでいませんでした。オタワ(カナダの首都)はアメリカ軍の総力を上げた軍事作戦による航空機などの空域侵入を不本意ながら黙認していました。これは2076年のアメリカへのカナダ併合へ直接的に繋がりました。
この戦争と石油枯渇によるエネルギー危機は、アメリカ市民たちに甚大な被害をもたらしました。それに加え、Forced Evolutionary Virus (FEV) 実験の情報が漏洩した新事実が国内のトップニュースとなり、世界及び国内において大混乱を引き起こす事となりました。これによって、アメリカ国民はますますパニックに陥りました。
戦争後のアメリカ[]
そんな事があったにも関わらず、アメリカの連邦政府は核戦争の大破壊を生き残りました。Falloutの世界の中で、エンクレイヴは戦前から存続する唯一の政府機関として知られています。
とりわけ有名なのは、かつてカリフォルニア州に住んでいた市民達が生き残り、すぐに再入植し、その後新設された新カリフォルニア共和国です。
またVault 101 PA システムによると、アメリカは2377年に移住可能と言われています。
国旗[]
少なくとも20世紀半ばに13の連邦州(commonwealths)を設立した際、Fallout史におけるアメリカは、その連邦州を表す12または13の星と、中心に1つの大きな星を置いた国旗を使い続けています。
カウペンスの旗は殆ど知られていませんが、Fallout 3のオープニングムービーで登場する、12の星が中心の1つの星を囲んでいる旗によく似ています。これはよく知られている 'ベッツィー・ロス' の旗が元となっています。
13の星と縞模様のある旗は、それぞれ実在したアメリカの州を表しています。1777年の第二次大陸会議の国旗に関する決議により使用が義務付けられました。その後、アメリカの50に分かれた州が1960年に統一された時、より多くの星が次々に旗に追加されました。
カウペンスは、アメリカ独立戦争中の1781年1月17日にサウスカロライナのカウペンスで行われた戦争時代の旗でした。カウペンスの旗とFalloutの旗の唯一の違いは、恐らく国家全体を表現するために、国旗の中心の星がはるかに大きい事です。
ゲーム内への登場[]
Fallout のゲーム内にアメリカが登場するかしないかに関係なく、議論の余地があります。これまで全てのFalloutシリーズの中で、戦前に合衆国政府によって支配されていた領域は、多くの場合他のコミュニティによって統治された領域となったか、全く支配されていない土地のみとなっています。
エンクレイヴは合衆国政府の生き残りであると主張していますが、その支配はエンクレイヴが存在する施設の周囲に制限されています。この例はFallout 2とFallout 3にて確認できます。
活動している米国陸軍の情報やニュースが流れる場面はFalloutに存在しています。
Operation Anchorage は、アラスカでプレイヤーが中国に対する米国の作戦(改変された物)の再現に参加できる軍事シュミレーションを保管しています。
舞台裏[]
13の領域に国を分割する最初のアイデアは、Falloutの開発中、Leonard Boyarsky が思いつきました。 Fallout Bible 8 では Leon が " クールに見えた " といったので、Tim Cain がその旗を使用すると述べたと報告されています。彼は50の星がある標準の米国旗を使用したがりませんでした。彼は13の大きな州について、何か作る予定でしたが、何もしませんでした。結局、連邦州(Commonwealths)は J.E. Sawyer によって詳しく説明されました。結果としてゲームの中のアメリカは、共和国へと解体されました。
彼ら全員が描かれた唯一の画像を実際に見ていないので、旗の星の数と帯の数に誤解が生じてしまっていました。Chris Avellone は Fallout Bible 8 の中で、星の数、帯の数は13個であると述べました。後に彼の発言はRedにより" 修正 "されました。Redは11個の星を持つマークを彼に送りました。その後の2005年、Tramell Ray Isaac がFalloutのオープニングムービーをレンダリングしていた時、J. E. Sawyer はこの曖昧な問題をはっきりさせようとしました。彼は13の星を持つ、実在の古い植民地時代の旗を参考に、途中で中央に新しい星を追加しました。
Sawyerの説明が幅広く受け入れられ、2008年にBethesda Softworksが発売したFallout 3で事実上の"正式版"として、12の円状の星の中心に1つの星が置かれた旗が効果的に定着(または代わりとして軌道修正)しました。現在発売されている作品の中で見られる旗は、全てこの旗です。この正式版の旗はFallout: New Vegasにも登場します。
この実際の地図ページで、位置が判明しているゲーム内のあらゆるロケーションを参照できます。
ギャラリー[]
参照[]
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